予防療法の目的
片頭痛に悩まされている人も多いのではないでしょうか。
片頭痛の痛みは、経験したことがある人にしかわからない辛さがあります。
発作によって、日常生活に支障が出る場合もあるでしょう。
片頭痛を放置すると、慢性化したり、どんどん症状が悪化したりしてしまうかもしれません。
今以上に日常生活を上手く送ることができない状態になる前に、片頭痛の発作が月に2回以上ある人や、6日以上ある人は予防療法について知っておきましょう。
片頭痛予防療法の目的は3つあります。
1つ目は、発作の頻度や症状の重さ、片頭痛発作の持続時間を減らすことです。
片頭痛の頻度が少なくなり、症状が軽くなって、痛む時間が短くなると、生活しやすくなるでしょう。
2つ目は、急性期治療の反応を改善することです。
これは、突然、片頭痛の発作が起きてから経過が短く、片頭痛が起き始めた時期の改善をするという意味になります。
3つ目は、生活機能を向上させ、日常生活への支障を軽減させることです。
片頭痛発作が起きると、 片頭痛がない人と比べてQOLが低くなります。
片頭痛によって仕事や学校を休む、日常的な動作ができないなどの日常生活への支障を軽減させましょう。
薬剤による予防療法
片頭痛の予防療法のひとつに、薬剤の服用があります。
現在、片頭痛予防薬剤として保険適用になっているものは、「ロメリジン」、「バルプロ酸」、「プロプラノール」、「ジヒドロエルゴタミン」の4つです。
これらの薬剤を、低用量から開始し、2〜3ヶ月間服用して効果をみます。
片頭痛の発作が軽減されない場合は、他の薬剤へ切り替えてください。
また、片頭痛以外に疾患がある人はその疾患も勘案して薬剤を選びましょう。
薬剤によって発作の症状が軽減された場合は、3〜6ヶ月間に服用期間を延ばします。
片頭痛の発作がコントロールできるようになると、薬剤による予防療法の頻度を減らし、最終的には薬剤の服用をやめてください。
参考文献
慢性頭痛の診療ガイドライン2013 p145〜
日本神経学会・日本頭痛学会