機能栄養学とは

機能栄養学とは、食品の栄養素だけでなく、生体調節作用や病気予防効果をもつ成分を研究する学問です。機能栄養学は、21世紀の新しい栄養学と言われており、アメリカのビル・クリントン元大統領も自身の健康管理のために取り入れていました。機能栄養学は、以下のような特徴を持っています。

  • 7大栄養素の重要性
    • これまで5大栄養素と言われていた糖質、脂質、タンパク質、ビタミン、ミネラルに加えて、フィトケミカルと食物繊維が7大栄養素に加わりました。フィトケミカルとは、植物に含まれる色素や香りなどの物質で、抗酸化作用や抗がん作用などがあります。食物繊維は、腸内環境を整えたり、血糖値やコレステロール値を下げたりする効果があります。これらの成分は、必須栄養素ではありませんが、健康に欠かせないものです。
  • 脳のエネルギー源の多様性
    • 脳のエネルギー源はブドウ糖だけではなく、ケトン体も使われることが分かってきました。ケトン体とは、脂肪酸を分解してできる物質で、糖質の摂取が少ないときに生成されます。ケトン体は、ブドウ糖よりも効率的に脳にエネルギーを供給し、認知機能や記憶力を向上させると言われています。ケトン体を増やすためには、糖質を制限し、脂質を多く摂取するケトジェニックダイエットが有効です。
  • コレステロールの制限の見直し
    • コレステロールは、細胞膜やホルモンの材料となる重要な物質です。コレステロールのほとんどは体内で合成され、食事からの影響は少ないことが分かってきました。そのため、厚生労働省は2015年にコレステロール摂取の上限値を撤廃しました。卵や肉などのコレステロールが多い食品を避ける必要はありませんが、バランスの良い食事を心がけることが大切です。
  • 超加工食品の問題
    • 超加工食品とは、一般家庭では行えないような食品添加物の加工がなされたものを言います。例えば、人工甘味料や香料、着色料、増粘剤、乳化剤、pH調整剤などです。これらの添加物は、肝臓で代謝されると言われていますが、過剰に摂取すると肝臓の負担になります。また、腸内細菌のバランスを崩したり、腸に穴をあけたりするリーキーガット症候群の原因になるとも言われています。自然な食品を選ぶことが、健康のために重要です。
  • 運動の大切さ
    • 運動は、筋肉や骨を強くしたり、血液循環や代謝を促進したりする効果があります。しかし、運動の負荷と頻度が大切です。高負荷で高頻度では関節や筋肉にダメージを与えたり、ストレスホルモンを分泌させたりするデメリットもあります。一般の方の健康を考えると、低負荷のウォーキングやジョギング、水泳や自転車などがあります。
  • ビタミンDの多面的な効果
    • ビタミンDは、骨や歯の形成に必要なカルシウムの吸収を助ける栄養素です。しかし、それだけではなく、癌の予防や免疫の増強、糖尿病の改善など様々な効果があることが分かってきました。ビタミンDは、食事から摂取することもできますが、日光に当たることで皮膚が合成することもできます。
  • 睡眠の質と量の重要性
    • 睡眠は、体や脳の疲労回復に欠かせないものです。睡眠中には、レム睡眠やノンレム睡眠という2つの段階が交互に繰り返されます。レム睡眠は、夢を見たり、記憶を整理したりする段階です。ノンレム睡眠は、深い眠りの段階で、成長ホルモンが分泌されたり、脳に溜まった老廃物が洗い流されたりします。睡眠不足は、認知機能や免疫力の低下、肥満や糖尿病などの生活習慣病のリスクを高めます。睡眠は、7~8時間が妥当です。

以上が、機能栄養学の概要です。機能栄養学は、食事や生活習慣を見直すことで、病気を予防したり、健康を向上させたりすることができる学問です。機能栄養学を理解して、自分の体に合った食事や生活習慣を実践しましょう。機能栄養学に関する詳しい情報は、以下のサイトを参考にしてください。

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