回転性めまいにおける迷路障害とは

迷路障害とは

迷路障害とは
迷路障害という言葉を聞いたことがある人もいるのではないでしょうか。
迷路とは、三半規管と耳石器からなる部分のことです。
迷路障害が起きると、周囲が回転しているように感じたり、一方向に動いていくように感じたりする激しい回転性めまいが起きます。
頭部をまっすぐに垂直に保ち止まっているときには、通常、両側の前庭終末器官が等しい状態にあり安定しています。
しかし、回転加速度が加わることで、三半規管のどちらかでは神経インパルスの発射頻度が増え、最終的に大脳皮質へと投射されてしまうのです。
神経インパルスとは、神経細胞がある一定値以上の刺激を受けたときに起こる電位変化のことをいいます。
大脳皮質に神経インパルスが投射されると、視覚系や体性感覚系の情報と結合し、回転運動の感覚が認識されるようになるのです。
頭部の動きが止まると、終末器官の神経インパルス発射頻度が逆転します。
逆転すると、神経インパルスが増えていた側が低下し始め、反対側が増え始めることによって回転しているような感覚が生じるのです。
実際には、頭は動かしていません。
幻覚で回転しているように見えるのは、回転運動後に生じた生理的なめまいです。

 

迷路障害にも種類がある

迷路障害にも種類がある
迷路障害は、通常、短期間で症状がおさまります。
しかし、持続的な障害が起きることもあり、いつ治るがわからないという状況です。
急性片側性迷路障害というのも迷路障害の種類のひとつで、外傷や動脈血の量が減少して貧血になることが原因だと言われていますが、原因を特定するのが難しいです。
急性両側性迷路障害は、薬物やアルコール依存症の人に起こることが多く、特に、アミノグリコシド系抗菌薬は、前庭系の終末器官にある細胞にダメージを与え、座っているときや立っているときにも、体が回っているように感じる平衡機能障害を招くこともあります。
迷路障害が起きると、回転性めまいによって日常生活に支障がでてきます。
放置するのではなく、回転性めまいの正しい処置や予防療法を行いましょう。

参考文献
ベットサイドの神経の診かた

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